日本の文明は、主として中国や朝鮮から移入し普及した文明です。牛肉、馬肉、羊肉なども当然食用にして来たのですが、江戸時代の中期以後は表向きは禁止され、牛馬の肉はすべて鯨肉(鯨は魚と思っていた)に化け、塩漬にして魚屋や乾物屋で売られました。一級二級の鯨肉は実は牛肉と馬肉で、並の三級品が本物の鯨、お徳用の等外品は≪山鯨≫とも呼ばれて、猪の肉でした。兎は鶏肉の中に化けこんだのでしょう。日本の庶民は貧しかったので、育てて使った牛馬を食肉にせず捨てるような勿体ない事は、とても出来ることではありません。お上の眼をごまかして、ちゃんと食べていたのですね。
動物の皮は、牛も馬も大切に使われましたが、馬の皮の方が昔から高級品でした。武具なども高録の武士の甲鎧には、馬の皮が使われています。日本は周囲を海で囲まれていますので、鎖国などと言う国際的にも我がままな独裁政治がし易く、権力に刃向って弾圧されると、弱者は逃げようにも海で封鎖されている国ですから、外国人のように隣国に逃げこむ訳には行きません。日本を統一した独裁権力が強力な間は、国民は逃げる事もできぬ絶対服従を余儀なくされた訳で、日本人独特の習性と言われる、『本音はあくまで隠して、建前論のみで押し通す』、滅多なことでは本心を現さない悲しい性質は、閉鎖された島国の独裁権力の下で生きて来た日本人が、身を守るために滲みつかせた国民的習性といえるのでしょう。
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